コラム

若者のモチベーションについて

文部科学省は1992年に学習指導要領にある相対評価を廃止し、通信簿の評価基準を明確にしました。上位何%ではなく、与えられた基準をクリアすれば評価が上がるということになったということです。つまり、生徒や親側から見れば、基準が明確であるかどうかが大事という認識になっています。

そして、ご存知のように、最近の若者はPCやスマートフォンを使いこなしてネットで情報を検索することを当たり前のように行います。その検索結果情報を基準に考える行動をとります。また、SNSの影響から、人と違う行動をとって目立つと「ハブられる」ので、仲間と違うことをするのを嫌う傾向もあります。

一方、バブル期前後に若者だった人は、参考にしたい情報が乏しい中で、先輩から「いいからやれ!」と言われながら、無我夢中で仕事をしていました。サービス残業も頑張ってこなしながら、同期に負けじと競争してきた人たちが管理職となり、今の若者の上司になっています。

育ってきた環境からできあがった価値観のようなものは、容易には変わりません。バブル期前後の人たちはそれを「いいからやれ!」で矯正されたようなところがありますが、同じようなやり方は今の若者には全く通用しません。

ポジティブ心理学の創設者であるマーティン・セリグマンは、幸せの定義はひとつの尺度で測られるのではなく、5つの要素で構成されると言われています。

それはPERMAモデルというもので、①快楽(Positive Emotion)、②没頭(Engagement)、③人間関係(Relation)、④目的・意義(Meaning/Purpose)、⑤達成(Accomplish)の5要素になります。もちろん、1つだけの要素で幸せを感じるというわけではなくこれらの要素は複雑に絡み合いますが、人によって重要度が異なります。

三十代以上は、①快楽(Positive Emotion)と⑤達成(Accomplish)を求める傾向が強いとされていますが、今の二十代の若者は、③人間関係(Relation)と④目的・意義(Meaning/Purpose)を求める傾向が強いとのことです。

つまり、三十代以上は成果を達成することに喜びを感じ、稼いだお金で何かを楽しむことにモチベーションが上がりますが、今の若者は、仲間と一緒に何か意味があることをやっていくことにモチベーションが上がるようです。

若手社員の離職は今に始まったわけではなく、3年で3割辞めてしまうというのも実は昔も今もそんなに変わりません。しかし、1年目で辞めてしまう若手社員は増えている傾向があります。

今の若者にモチベーション高く働いてもらうためには、単純に待遇面を改善するだけでなく、この会社で働く意義を感じてもらい、自分にとってのキャリアビジョンを考えてもらうこと、そして、上司や先輩側が良き相談相手となって一緒になって目標を目指せるような仲間意識を持ってもらう必要があります。

 

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