コラム
チームの成果を最大化させるマネジメント
2018年9月21日
マネジメントを直訳すると「管理」になりますが、意訳すると「やりくり」になると考えています。つまり、与えられた環境の中で成果を生みだすために「やりくり」することがマネジメントということです。
与えられた環境の中で、かつ、限りある時間の中で最大の成果を生みだすためには、リソースの有効活用が必要です。それが、「やりくり」というわけです。
リソースとは使える資源であり、人、もの、お金、情報など、成果を最大化するために使えるものなら何でもリソースになります。上手に「やりくり」するためには、どのリソースをどのように使うかをわかっていなければなりません。
つまり、成果を最大化するためには、使えるリソースを最大活用することが重要になるということです。
ところで、マネジャーとしての最も大事なリソースは何でしょうか。
それは人です。もっと言うと、自チームの部下・メンバーです。
自チームのビジョンや戦略を描いても、部下・メンバーが動かなければ絵に描いた餅になります。そして、部下・メンバーのことを理解していなければ、リソースとして最大活用できるわけがありません。
たまに、マネジャー研修で部下・メンバーのプロフィールを書いていただくことがあります。自チームの部下・メンバーの名前、趣味、価値観やこだわり、強みや課題、キャリアビジョンなどを書いていただくのですが、これらの大部分を書けないマネジャーが多いです。部下・メンバーの名前を漢字で書けない方もいました。
自分のことをわかってくれていない上司の下で仕事をしたい部下・メンバーはいないでしょう。人は、「自分のことを理解しようとしてくれる人の期待に応える」ものです。
また、部下・メンバーにも上司のプロフィールを書いてもらおうとしても、同じように書けないことが多いです。部下・メンバーは意外と上司のことを知らないものです。
お互いに無関心であれば、それは形式上のチームでしかありません。個々の役割・タスクは明確であったとしても、結局は、無関心による個別最適化となるため、チームのためにお互いがわざわざリソースになることは難しいでしょう。
本当のチームになるためには、お互いのことを理解しようとすることが不可欠です。マネジャーと部下・メンバー各々が何を考えているのか、どんな想いがあるのか、そして、このチームをどうしていきたいかなどを本音で話し合って、チームに対するオーナーシップを高めることではじめてチームとして機能します。
そのうえで、部下・メンバーの強みを活かして業績を上げる短期的視点、キャリアビジョンのための育成を踏まえた長期的視点の両側面で期待を添えて「その気にさせ」、自チームの成果を最大化させるためのリソースとして活躍してもらうように「やりくり」するのが、チームの成果を最大化させるマネジメントであると考えています。